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行き当たりばったり 道中日記

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信長の野望に登場する戦国武将・剣豪・その他徒然の、ゆるい風味の紹介動画を作成しています。

剣豪さ(略)~吉岡憲法のまき~ 

吉岡憲法(生没年不詳)
本名は「直綱」。通称は清十郎。なお、「憲法」とは代々の吉岡家の当主が継ぐ名前。
吉岡家は、足利将軍家の兵法指南役であり、直綱はその三代目である。
宮本武蔵とは一門をかけて争ったとされているが、双方の資料において「相手が負けてこっちが勝った」とあるうえ、他の資料でも武蔵が勝った場合と負けた場合の記述があり、真相は不明。
大坂の役では、大坂方につかないように頼まれていたが、大坂方についた。大坂方が敗北したあと、徳川の世になると兵法を生業とすることを恥じて、もともと自前で行っていた染物を生かして染物屋を始め、これが流行って以降、「憲法」といえば染物の代名詞となった。


宗矩「このやわらかい黒の色合いがいいんですよね、憲法染めは」
忠明「使い込むうちに少し茶色がかってきて、この色合いもいいものだな」
憲法「ありがとうございます」
宗矩「吉岡一門は、足利将軍家のご指南役でしたから、我々の先輩でいらっしゃいますね」
憲法「そんな頃もございましたねぇ」
忠明「もう、兵法家としての未練はないのか?」
憲法「ございませんよ。今は染物が手前にとっての兵法のようなものでして」
宗矩「そもそも、家伝として染めの技法は伝わっていたとか」
憲法「そうでございます。代々、一門の着物は自前で染めておりました」
忠明「それはたいしたものだな。染物の道もずいぶんと大変だと聞いたぞ」
憲法「そうでございますね、特に黒の色は出しにくいですからね」
宗矩「それなのに、兵法修行で好まれる着物の色といえば黒ですからね」
忠明「美しい黒染めの着物を着るのも、武士のこだわりだな」
憲法「我が家は昔から、独自に黒染めの技法を研究して来ましたので」
宗矩「始めにお聞きした時は驚きましたよ、あの吉岡殿が染物屋になられたと」
忠明「それだけでなく黒も美しいし、おまけに値段も相場よりも手ごろだからな」
憲法「みなさんに受け入れていただけてホッといたしましたね。一大決心でしたが、不安もありましたし」
宗矩「なぜ、大坂の役では大坂方へ?」
憲法「意地、でしょうか」
忠明「意地?」
憲法「宮本殿との争いのことは御存知ですね」
宗矩「ああ、勝ったとか負けたとか言われていますが」
憲法「それがいけません。かつては将軍家の指南役が、無名の兵法者にはっきりと勝てるような戦いを出来ず、無様なさまを見せてしまった・・・それだけで、うちは兵法を扱う家としてはやっていけませんでした」
忠明「一度失った信用を、取り戻せなかったのか」
宗矩「何もない所から這い上がるよりも、名声のある立場を維持することのほうが難しいですからね」
憲法「それに、我が京流はすでに古い・・・次々に出てくる新たな兵法に、押されていないとは言えませんでした」
宗矩「ま、まさか意地とは」
忠明「?」
憲法「そう、武蔵殿も幕府側、あなた方は言うまでも無く・・・」
宗矩「そうだったのですか・・・」
忠明「俺たちと勝負をするつもりだったのか」
憲法「そこまでの意地でもありませんがね。これで大坂方が負ければ、我々の生き方も終わらせようと思い極めたまでです」
宗矩「新陰流も一刀流も、新しい兵法でしたからね」
忠明「大坂の役では、多くの浪人が大阪城にいたということだが、吉岡殿もそこにいたのだな」
憲法「結果はご覧の通りです。しかし、染物の道がこのように我らに合っているとは、思いもよりませんでした。路頭に迷うことの無かったことは、幸せですね」
宗矩「めまぐるしく変化する中で、しっかりと家を絶やさずやっておられたのは、素晴らしいと思います」
忠明「いまや京の都の憲法殿と言えば、知らぬものなどおるまい」
憲法「ほんに、ありがとうございます。都にお立ち寄りの際は、憲法小紋をどうぞよろしゅう」

宗矩「ちなみに、憲法色はヤマモモの樹皮を使って染めるのだそうです」
忠明「柳生!勝手に人の家の秘伝を」
宗矩「大丈夫です。聞いたって我々に染められるもんじゃないでしょ」
忠明「そ、そうだな・・・」
宗矩「どうしたんです?」
忠明「ヤマモモで染めたのに、モモの香りがしないな」
宗矩「・・・」

つづく

というわけで、吉岡さんでした。
せっかく、武蔵と小次郎を取り上げさせていただいたので、この方も外せないだろうと思い調べてみたら、意外な事実がわかりました。
これだから歴史上の人物調べは楽しいですね。
wiki先生によれば、今でも染物をする方には「吉岡」の姓の方が多いとか。一部は、ご子孫の方なのでしょうか。
憲法色で検索すれば、どのような色かがわかります。黒茶色です。真っ黒もカッコイイですが、当時の「黒」というとこの憲法色が一番黒かったらしいですから、戦国時代の黒色のイメージをとらえやすいのではないかと。

次回からは、居合いの方々を取り上げたいと思います。

拍手ありがとうございます!
コメントを下さった方もありがとうございます。
また後日改めてお返事させていただきますので!
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